コイノニアニュース

【その人の人格の本質を見つける思考】

心の余裕がある社会の在り方を実現したい

転倒して骨折しちゃって
一ヶ月くらい入院してた住人のYさん。

Yさんがいない間
住人たちがすごく心配していて

『Yさん、いつ帰ってくるの?』
『Yさん、どうしてるかなぁ。』

ってみんなが言ってた。

退院してコイノニアに到着した後
“やっと帰ってきた!”と言わんばかりに
住人たちが、みんな嬉しそうに
Yさんの周りに集まった。

目を潤ませながらハグをしてくれる住人もいた。

Yさんが帰ってきたコイノニアは
パァーッと明るくなった。

彼は周りの人にたくさんの元気をくれる
だから愛されるんだと改めて知った。

私たちスタッフも胸が熱くなった。
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Yさんのお人柄

Yさんは、本当によく喋る。
耳が遠いから声も大きい。
それは演説のようにいつまでも続く時がある。笑
歌が好きなんだけど、それは見事なまでに
音程を外してる。笑

病院でも看護師さんたちを困らせていたようだ。

そういえば、コイノニアに入所当時
Yさんは『認知症の方です』と
紹介されてうちにやってきた。

当時は、こちらがそう勘違いしても
おかしくはないようなところも
あったかもしれない。

でもコイノニアに入所して、
Yさんとじっくりゆっくり関わっていると
彼の中に、たくさんの優しさがあることがわかった。

周りへの配慮はもちろん
困っている人、弱っている人にそっと寄り添い
手を差し伸べる。
してもらったことの恩は忘れない。
義理堅く人情深い人だ。

彼は常に小さな事にも感謝をしていて
努力家で忍耐強かった。

それは、コイノニアという人間関係の中で、
じっくりと彼と関わる中で見えてきたものだ。

短期間で、さらに職員と”ご利用者様”という形で分けていたり
“利用者様同士のプライバシーを守る”
とかいう場所であったとしたら
はなかなか彼の良さは見えないのかもしれない。

つまり”管理のしやすさ”かどうかで見ていたら
彼の良さは全く雲に覆われてしまうのだ。

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Yさんの入院の経緯・エピソード

ちなみに、今回Yさんが骨折した時
Yさんは同時に心不全も起こしており
状況としてはかなり危機的だった。

私は、床に寝そべったYさんの肩を抱きながら119番に通報した。

もしかしたらこれでお別れかもしれない
と感じた私は泣きながら

『いつもありがとう、Yさん』

と言った。

Yさんとのあらゆる思い出が
走馬灯に脳裏によぎったのである。

そして、咄嗟に

『最期はどこで過ごしたい?』

と聞いた。

彼は苦しみながら

『コイノニアでみんなのそばで最期まで過ごしたい。』

と答えてくれた。

よし、わかった。
必ず早くコイノニアに連れて帰るからね
と約束して見送った。

そして約束通り、航地さんが
少し早めの退院を病院に促してくれた。

彼が入院した先は、
うちのことをよくわかってくれてる
医療連携室の看護師さんたちがいたので
おかげで数週間で退院の運びとなった。
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本当の自分らしさで輝いて逝ってほしい

あたたかい彼の笑顔とあとどれくらい一緒に過ごせるかわからない。

それは他の住人たちも同じだ。

来年、いや、明日だって一緒にいられるなんて保証はどこにもない。

でも、最期くらいはYさんのように
本当の自分らしさで輝いて逝ってほしい。

その人のありのままのをところを
欠点だとか、認知症だとか
正しいのだ間違いだの言ってシラけて
足の引っ張り合いをしがちなこの社会を

じっくり関わっていくことで
その人の本当の良さや面白さを
様々な角度でたくさん見つけられる

欠点や失敗だと言われてしまうことすら
笑いや美しさに感じられる

そんな心の余裕がある社会の在り方
コイノニアでは実現したい。


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言われたことをこなす、だけの作業的な介護ではありません。私たちコイノニアでは、利用者さん・スタッフ・ご家族、みんなが【関係性】を築くことを最も大切にしています。つまり、その時その時での介護の在り方が異なってくるのです。一度わたしたちのコイノニアを見学にきませんか?人と人との、温かい家族のような空気を感じてほしいと思います。

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